名もなき天使の書

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タイトルが 表紙にない本だ。
著者の名前も 見当たらないが
『0』……とだけ 番号が記されている。
私のことは 神都フォーリオンに暮らす
名もなき天使としておこう。
神都の聖天区画には 我々 下級の天使には
進入を許されない場所が 多々ある。
それは なぜなのか……?
これより 書くのは 天星郷フォーリオンに
隠されている 闇の真実を暴露したものである。
信じるか 信じないかは 見た者次第だ。
真実を知りたい者は この本の続きを探せ。
ただし 知った後の生命の保証は
私には しかねると 伝えておこう。
マップ 部屋名 座標 種別
神都フォーリオン 下層 民家 C-8

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タイトルが 表紙にない本だ。
著者の名前も 見当たらないが
『1』……とだけ 番号が記されている。
神都の地下にある 神代の遺構と呼ばれる場所。
かつての都の廃墟というウワサだが なぜ
そんなものが存在する? 確かめねばならない。
ツテをたどり 遺構への扉のカギを入手。
遺構へと進入した私は 魔物に警戒しつつ
奥へ奥へと 進んでいった。
目の前に 薄く赤い霧が ただよっている。
強い毒素を含むことは すぐ わかったが
天使には 効果はないはず……だった。
結論を先に言うと 私は 死ぬ思いで戻ってきた。
天使をも むしばむ 恐ろしい毒が存在した。
しかも 神都の直下で 放置されている。
……いや。あの遺構で 作りだされているのだ。
だが そんな猛毒を どこで 使うつもりなのか?
我々の知らぬところで 陰謀が動き始めている。
マップ 部屋名 座標 種別
聖天舎 1階 天務室 B-4

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タイトルが 表紙にない本だ。
著者の名前も 見当たらないが
『2』……とだけ 番号が記されている。
神代の遺構の 赤い霧を突破する手段は
いずれ 考えておかねばならない。
だが その前に 別の疑念を考察しておきたい。
天星郷フォーリオンの 北に浮かぶ建物がある。
それが何か 我々は 知らされておらず
近づくことさえ 許されてはいない。
見た目で判断すれば 神殿と言えるだろう。
だが 祈りを捧げるための建物であるのならば
我々が近づくことを拒む理由は ないはずだ。
……そうだ。神代の遺構と同じだ。
真実を知る者たちが 我々に知られぬように
制限をかけているとしか 考えられない。
あの建物には 危険なものが 隠されている。
おそらくは アストルティアを無に帰すほどの
危険なもののはずだ。
……私は 恐ろしいことに 気づいた。
我々 天使は この世界を滅ぼすために
今ここに いるのかもしれない……。
マップ 部屋名 座標 種別
フォーリオン外郭 薬師の家 B-4

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タイトルが 表紙にない本がある。
著者の名前も 見当たらないが
『3』……とだけ 番号が記されている。
赤い霧を突破するための 防毒用の薬が
やっと 完成し 私は ふたたび
神代の遺構の奥へと 向かった。
ひとつの廃屋で 植物……を見つけた。
鉱石のような見た目でありながら
まるで 生きているかのように 脈を打っている。
とつぜん 植物になっていた実から
触手のようなものが伸び 私に 向かってきた。
危険を感じた私は その場から 逃げてしまった。
後に聞いたウワサでは この場所で
天使の死体が 発見されたらしい。
あやうく 私も 同じ憂き目にあうところだった。
……あの植物は なんだったのか。
神都では 見たことのないものだ。
生きている鉱石など あるわけがない。
いや。逆かもしれない。生きている植物が
鉱物のように変えられた可能性は ないだろうか?
だとして そのようなことが 誰にできる?
……私は 思いだした。
女神ルティアナと戦った 異界滅神の存在を。
我々を この世界に招いたのは
女神ルティアナでは なかったのかもしれない。
やはり 天使とは……。
マップ 部屋名 座標 種別
神都フォーリオン 中層 ユーライザの部屋 E-5

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タイトルが 表紙にない本がある。
著者の名前も 見当たらないが
『4』……とだけ 番号が記されている。
天使とは いったい なんなのか……。
私は ずっと 考えつづけていた。
そして ひとつの結論を 導きだしたのである。
天使は アストルティアを 滅ぼそうとしている。
神化の儀で悪神が生まれたのも 計算尽くのこと。
その真実へ至るカギが (主人公名)の存在だ。
天使たちの おこなっている計画は
本来 死した英雄の魂を 神と化す計画のはずだ。
なのに (主人公名)は 死者ではない。
さらに 異界滅神との戦いで 活躍した人物かつ
大魔王の座に ついていた者でもある。
このことが 何を意味するかは 明白である。
異界滅神を滅ぼしたとき (主人公名)は
そのチカラと思念を受け継いだに ちがいない。
新たなる異界滅神の誕生と 言えるであろう。
天使は それを 呼び寄せたのだ。
すべては このときのための仕込みに過ぎない。
我々は 初めから 異界滅神の手先だったのだ!
……真実に至ってしまった私は
遠からず この世から 去ることになるだろう。
そうなったときのため この書を残す。
この書を見た者よ。私に代わり
どうか この真実に 立ち向かってほしい。
真実への到達者
マップ 部屋名 座標 種別
神都フォーリオン 上層 ゲゼルマインの家2階 E-7

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  • 最終更新:2022-07-31 21:23:09

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